「敷布団」というと、昔ながらの「綿・真綿の敷布団」などを思い浮かべる方がまだまだ多いものと思いますが・・。
現代の住宅環境は、昔とは大きく変化しています。
寝室の床仕様が「畳からフローリングへ」と様変わり。住宅全体の「断熱性」「気密性」が大きく変化するとともに、
寝室の「熱環境（床からの熱の伝わり方）」「湿度環境」も大きく変化しています。
私は、建築士として、常々『住宅環境に応じた住まい方をすることが大切（心身の健康にとって）』であることを
お伝えしてきているのですが・・・特に、「寝室環境と睡眠・寝具」に関して、なおざりになっているケースが
多いのが実情です。
それゆえに、「睡眠中に体が痛くなる（首・腕・肩・背中・腰など）」といった、身体の不調に繋がってしまうのではないかと考えています。
そんな状況を改善するためには、現代の住宅環境に適した「機能性敷布団」を上手に活用することがポイントとなります。
現代住宅の「寝室環境」要素にて、最も重要視しておかなければいけないのが、「弾力性の無い床となっている」ということです。
昔は、「畳床（本畳）」仕様の寝室が大半でしたが、現代では、「フローリング」仕様の寝室が多くを占めるようになっています。
「畳床」の寝室であったとしても、昔とは「畳自体の構造」「床の構造」が異なっており、『床の弾力性』に大きな違いが生じているのです。
この”違い（床が硬い）”を無視して、敷布団は昔のまま・・・では、当然、身体への負担が大きく、睡眠時に体の痛みを生じて来るのも、
ある意味当然のことと言えるわけです。
現代の「床の特徴」に応じた『機能性』が敷布団に求められています。
睡眠時に身体が痛くならないようにするために、最低限、必要な機能性となるのが
●反発力機能
●体圧力分散機能
なのです。
まず、”敷布団”にとって大切な役割となるのが「体を支えること」です。適切な寝姿勢を維持することが
最も大切な「敷布団」の役割となります。
ただ、気を付けなければいけないのが、単純に「体を支える力が強い」だけではダメということ。
支持力の高さだけであれば、「硬い鉄板」が最も好ましいこととなってしまいますからね。
●適切な寝姿勢を保つこと
が求められるのです。
そのために必要なのが、『反発力（高反発力）』なのです。
敷布団に「反発力機能」があることによって、体の骨格ラインに合わせた寝姿勢が保たれるのです。
「フローリング床」など現代住宅の寝室床は、「弾力性が無い（硬い）」仕様となっています。
ゆえに、従来の敷布団（機能性の無い敷布団）では、「床の硬さが体へ伝達」するとともに、寝姿勢となったとき、「体重（荷重の力）に応じた床からの刺激（圧力）」が局所的（主に背中、腰、臀部など）に加わをってしまいます。
その結果、身体の各部位に負担が蓄積。体の痛みなどとして、表れてくるのです。
そんな「床からの圧力刺激」を受けないようにするために、有効なのが「体圧分散機能」です。
寝姿勢時の体重（荷重力）を敷布団内の四方八方に、上手く分散する機能。
荷重を分散することによって、床からの刺激（圧力）を軽減することに繋がるのです。その結果、体の痛みも生じにくくなることに。
「敷布団の機能性」の他、もうひとつ意識しておかなければいけない要素があります。
それが敷布団の【硬さ】の好みという要素です。
いろいろとネット上などの”口コミ”を見られているようであれば、わかると思いますが・・。
●硬めの敷布団を使用していると「腰痛など」体の痛みを感じてしまう。
という人もいれば、逆に
●柔らかめの敷布団を使用すると「腰痛など」体の痛みが悪化してしまう。
という人もいるものです。
「いったいどういうことなの？」
「どっちを信じればいいの？」
と迷ってしまいますよね。基本的に、寝具（敷布団）の適正は、人それぞれなもの。「口コミをあてにした敷布団選び」は
しないようにしたほうが良いのです。
きちんと、『自分の体質・身体的特徴』を把握することが、適切な敷布団を選ぶ上で一番重要なポイントとなるのです。
睡眠時に身体が痛くならないために「硬めの敷布団が適しているのか」「柔らかめの敷布団が適しているのか」を見極める
ひとつの方法として、『体の痛みを感じる要因』に着目してみたいと思います。
睡眠による体の痛みに関して、実際には、いろいろと複数の要因が絡んでいるのですが。
ここでは、少し簡略化して考え、大きく「2種類の要因」に分類してみたいと思います。それが下記です。
１．寝返りが上手くできないことによる体の痛み。
２．骨格形状に沿った、適切な寝姿勢が取れていないことによる体の痛み。
＊＊＊
＊話が長くなりますので、「痛みが生じる仕組み」に関しては、こちらの記事
（「寝返り不足」による腰痛・背中痛の仕組みと対策）をご参照
いただければと思います。
＊＊＊
睡眠によって、体が痛くなる要因が主に「１」なのか「２」なのか・・どちらのタイプなのかをまずは、自己診断していただきたい
と思います。
簡易的な診断方法となりますが。
上記のように主に「起床時」に「体のこわばり」「体の痛み」を感じる場合は、『１：寝返りが上手く出来ていない』 パターンとなります。
上記のように、主に「睡眠中」に身体の痛みを感じて、中途覚醒してしまうような方は、『２：適切な寝姿勢が確保できていない』 パターンとなります。
「起床時に体の痛みを感じる：寝返り不足が要因」なのか、それとも「睡眠中に体の痛みを感じる：適切な寝姿勢が確保できていない」
のかによって、必要となる対策が異なります。
それぞれの状況に適した、「機能性敷布団」を厳選してご紹介。
少しでも、睡眠改善に繋がりましたら幸いです。
また、現代住宅の床構造（弾力性が無い）に対応するためには、「敷布団の厚み」がとても大切な要素となります。
詳しくは、こちらの記事（厚みのある敷布団のメリット）をご確認いただければと思いますが、近年の睡眠研究から、身体に悪影響を及ぼさないための「敷布団の厚みの目安」が
『7cm以上』と言われています。
ここでは、「厚みの条件」もきちんと満たした機能性敷布団を厳選しています。
寝返り不足の解消・寝返りを促進させるために重要な敷布団の機能性となるのが「高反発力」と「硬めの敷布団」という要素です。
寝返り不足は、”筋力不足”などの運動機能とも関連が深いもの。
寝返りが上手く行えていない人は、「敷布団の反発力による補助」が必要となります。
また、自分の体格（身長・体重など）に対して、「硬めの敷布団」を選ぶことも大切なポイント。
少しでも、「柔らかさ」が勝ってしまうと、寝返りをする上で余分な筋力が必要となるもの。基本的に体格に対して「硬め」
の敷布団の方が、寝返りがしやすくなります。
もうひとつ、”寝返り不足を解消する”ために、「敷布団」の見直しに加えて、必要な要素となるのが「枕の見直し」です。
特に、寝姿勢時に、「アゴが引けてしまうような姿勢」となっている方は、枕の高さが不適切な証。
そのような寝姿勢だと、寝返りが困難となってしまいます。
併せて、こちらの記事「寝返りを促す機能性「枕」に関して。」もご参照
いただければと思います。
機能性敷布団の起源となるのが日本の老舗寝具ブランド「昭和西川のムアツ布団・シリーズ」です。
近年の「機能性敷布団」は、現代住宅の床に対応しているため、「マットレスと敷布団の機能を併せ持った敷布団（寝具）」と
なっています。
こちらは、ムアツ布団シリーズの中でも、寝返りのしやすさ
が魅力の、「ムアツふとん 2フォーム200」です。
多くの機能性敷布団が「柔らかめ」であるのに対して、とても貴重な「しっかり感（硬さ：220N）」
を有しているのがポイント。
「硬めの敷布団が好みの方」に、おすすめの機能性敷布団。
”使い方”として、一般的な敷布団のように上げ下げできる寝具を探している方におすすめの「三つ折りタイプ」となっています。
「フローリング床への直敷き寝具」として、開発されたのが、こちらの高反発機能性敷布団「モットン」です。
「一枚タイプ」ですので、日々押し入れなどに布団を収納せずに使用する方に適した機能性敷布団となります。
最大の特徴が「3種類の硬さが選べる」こと。「高反発力」を有しており、あとは、自分の体格に適した、『硬さ』を選ぶことができれば、
寝返りがスムーズに行えることとなります。
”硬さ”は、「柔らかめ：100N」「普通：140N」「硬め：170N」から選択可能。他の高反発敷布団が「90N～130N」となっていますので、
モットンの「普通（140N）」でも、わりと”しっかり感”のある寝具となります。
ただ、「硬さの感覚」は、体格（身長・体重）によって、感じ方が異なるもの。実際に使用してみないと適正がわからなかった
するものです。
実は、こちらの「モットン」は、商品購入後「90日間以内」であれば、「硬さのチェンジが可能」なんです。
私が使用した経験からすると、体の痛みを軽減するためには、「普通（140N）」もしくは「硬め（170N）」がおすすめ。
女性なら、まずは「普通（140N）」を。男性なら「硬め（170N）」を注文してみてはいかがでしょうか。
そして、実際に「１ヶ月間」は使用してみてください。そこで、少し物足りなさ＆違和感を感じるようなら、「硬さのチェンジ」をする
・・・そんな流れで、適正を掴むのがいいかと思います。
”適切な寝姿勢”を確保するために、大切な機能性となるのが「体圧分散機能」と
「クッション性」です。
寝姿勢時、体重は敷布団に対して、不均一に加わるもの。最も、体重が多く加わるのが「臀部周辺」となります。
この部分的な荷重が局所的（臀部周辺の敷布団）に集中してしまうと、「局所的な体の沈み込み（主に臀部周辺）」が大きくなってしまいます。
その結果、適切な寝姿勢が保てず、背骨周辺の各部位（腰椎周辺、背中周辺、頸椎周辺など）に過緊張が生まれ、「筋肉炎症」
「神経への刺激」が生じることに。体の痛みへと繋がってしまうのです。
そのような状態を生じさせないために、「体圧分散機能」が有効となります。
また、逆に、敷布団が「硬すぎ」てしまうと、骨格ライン（主に背骨の曲線）に対して、敷布団の追随性が失われることに。
この状態も、「適切な寝姿勢の維持が困難となる」ことから、睡眠時の体の痛みを生じさせてしまいます。
そうならないためには、敷布団の「適度なクッション性」が必要となるのです。
「体圧分散機能」と「クッション性」を併せ持った機能性敷布団として、最上位に位置づけられるのが、こちらの
「雲のやすらぎプレミアム」です。
”一枚タイプ”の敷布団で、付属の専用バンドを使用するれば、折りたたむことが可能とはなっていますが・・現実的には、
「日々の折りたたみ収納は不可」と考えていたほうがいいかと思います。
最大の特徴が異なる素材による複層構造にて、「厚み17cm」を実現していること。
「複層構造」と「17cmの厚み」により創出される「クッション性」と「体圧分散機能」によって、適切な寝姿勢がキープされる
のが機能的な魅力となっています。
繰り返しの耐久試験を行っており、「ヘタリの心配が少なく」、一般的な敷布団よりも、末永く活用できる機能性敷布団となります。
睡眠中に”身体の痛み”を感じる傾向がある方に、おすすめの機能性敷布団です。
どんなものにも、その役割を果たすことが出来る期間が存在するものです。寝具に関して、最も寿命が短いのが『敷布団』
なんですね。睡眠時に体重圧迫（圧力）を受け続けるだけでなく、発汗・温度変化などの科学的な作用による素材の劣化
なども生じるからです。
ひとつの目安としては、『５年』が敷布団の寿命時期と考えられています。
昔ながらの
「綿」や「真綿（絹）」素材の敷布団であれば、素材の打ち直し（お手入れ）をすることで、再び、息づくことが出来ますが、「普通ウレタン素材」などを主とした一般的な敷布団の場合は、買い替えが基本となります。
就寝中に体の痛みを感じている方の多くが、適切な機能性敷布団を活用していなかったり、５年を超えた敷布団
を使い続けている・・そんな状況となっているようです。
まずは、『敷布団の買い替え』が体の痛みを軽減するため
の第一歩となるのではないでしょうか。
敷布団やマットレスに最も良く使用されている素材となるのが「発砲ウレタンフォーム」と呼ばれる素材です。
高反発ウレタンも低反発ウレタンも素材としては、同じウレタンフォーム素材なんですね。
特別な機能性の無い
「普通ウレタン」と呼ばれているものも、同じウレタンフォームです。これらは、『反発力』に関して、
各種配合調整が行われた結果、高反発力を有するもの、低反発力を有するもの、普通ウレタンに分類されて
いるのですが、反発力以外の要素は、すべて同じなのです。
このウレタンフォーム素材は発砲することによって創出されていますので、素材構造的には「気泡」が存在しています。
ウレタンフォームの断面部分を見ると、気泡の存在が確認できます。ただ、この気泡は閉鎖空間に閉じ込められている
もので、「穴が開いている」わけではありません。『通気性は無い』のがウレタンフォームの特性となっています。
これは先ほどお話したように、機能性ウレタン（高反発ウレタン、低反発ウレタン）であっても、普通ウレタンであって
も同じこと。
ゆえに、日本で使用する上では、特に夏の季節、「湿気がウレタンフォームに籠りやすく」「熱もウレタンフォーム内に留まりやすい」こととなるのです。
夏は積極的に夜間も冷房利用するのであれば、冬に暖かさを保ちやすい敷布団（マットレス）となることが利点となりますが、夏の快適性を重視するのであれば、ウレタンフォーム素材を利用した、敷布団（マットレス）は湿気や熱による寝苦しさ（暑さ）を感じてしまう人も。
夏の快適な睡眠を重視するのであれば、高い通気性を有する「網目繊維構造素材」を使用した、こちらの雲のやすらぎ（敷布団） 及び上敷きマットレス「エアウィーヴ」が
日本においては、最適な敷布団となるものと思います。近年、この2つの敷布団（マットレス）は高い支持を得てきて
いるのですが、その理由のひとつが「夏の快適性」なのです。
季節変化に富んでいる日本は、自然環境に合わせた生活を心がけることがとても大切な要素となっています。
そんな中でも「6月～9月」の季節は、湿度によって敷布団・マットレスが損傷を受けやすい季節に。
安眠を得る上でも、「湿度対策」は寝具にとってとても大切な機能要素となります。
■通気性の高い敷布団＆マットレスの特集ページはこちら！
睡眠時に身体の痛みを生じる一番の要因は、「寝返りが上手く行えていない」ことと言われています。 そんな寝返りをスムーズに行えるように補佐してくれる機能が「高反発力」。ここでは、そんな高反発力機能を 有している敷布団・マットレスをご紹介いたします。（高反発力機能の特性など）
体の局所部分に痛みを生じさせる要因となるのが「圧迫力」。敷布団が硬いと自分の体重によって、局所的な痛み を生むこととなります。そんな圧迫痛を無くすためには、敷布団に加わる体重を上手く分散させる体圧分散機能 が有効。そんな体圧分散機能付き敷布団をご紹介。（体圧力分散機能の特性など）
主に諸外国（北欧など）で誕生、高いシェアを誇っているのが低反発マットレスと呼ばれるものです。低反発ウレタン を素材に使用しているもので、一年を通じて低湿度で気温変化の少ない地域に適しています。そういう意味で高温多湿 ＆低温乾燥の環境変化がある日本には不向きな点が。低反発機能の情報。
基本的に、体の形状に沿って敷布団が追随することが、身体の痛みを作らないポイントとなるもの。そういう意味 で、「敷布団の厚み」はとても重要な要素となります。厚みのある敷布団はヘタると言われたりしますが、それは 薄い敷布団も同じこと。「敷布団の厚み」に関連した機能性の情報をご紹介。。
夏夜に安眠を得るためには、就寝時及び就寝直後の寝室環境（気温と湿度）がとても大切な要素と なります。また、就寝中も身体から発せられる「熱と水分」を上手に発散させることが重要な要素に。 ここでは、夏夜に快適な睡眠を得るための要素をご紹介いたします。
畳床とフローリング床では、特性が大きく異なるもの。現代住宅の居室の多くがフローリング床 となっています。そんなフローリング床に直置きの形で使用する敷布団に求められる機能性・条件 及びフローリング床に適した、おすすめの機能性敷布団をご紹介いたします。
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